株式会社イワショウは岡山市北区、南区、中区、東区、赤磐市、瀬戸内市、備前市などを中心に
外壁塗装・屋根工事・雨漏り工事をご提供する塗装専門店です。
ベランダ防水の種類と改修工事の時期・相場について
ベランダ防水とは、ベランダの床を防水性のある素材で覆い、雨水が建物内に侵入するのを防ぐ工事のことです。一般的な家のベランダはコンクリートや木材でできており、そのままでは雨水が染み込んでしまうため、表面が防水層で覆われています。
しかし、ベランダの防水層は年月とともに劣化していき、本来の防水性能を失ってしまいます。そのため、劣化が進む前に防水工事をやり直す必要があります。防水工事を怠ると、雨漏りやシロアリ被害、建物の腐食などの重大な問題が発生する可能性があります。
ベランダ防水にはさまざまな種類がありますが、主に以下の4つが一般的です。
- FRP防水
- シート防水
- ウレタン防水
- トップコート塗り替え
それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用相場を見ていきましょう。
FRP防水
FRPとは「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称で、FRPを使用した防水工事のことを「FRP防水」と呼びます。FRP防水は液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせたものを塗布する方法です。合板やモルタルで作られた床の上にFRPのシートを敷き、その上に樹脂を塗って硬化させますが、硬化後にはプラスチックのような硬い床面になります。
FRPは高い防水性と耐久性を兼ね備えた素材であることから、ベランダやバルコニーなどの防水材としてだけではなく、ボートや自動車、浄化槽、バスタブなどにも使用されています。
FRP防水のメリット
- 1㎡あたり4㎏前後と軽量なため、建物の構造躯体への負担が少ない
- 強度が高く耐摩耗性に優れているため、硬くて丈夫な仕上がりになる
- 施工が比較的容易で乾燥時間が早いため、工期が短くてすむ
- 連続した防水層が形成されるので、高い防水性能が期待できる
- 垂直面や複雑な形状をした部分にも施工が可能
- 部分補修が容易である
FRP防水のデメリット
- 紫外線に弱く、劣化してひび割れしてしまうことがある
- 費用が他の防水工法と比較してやや高めである
- 塗膜が硬くて伸縮性がないため、下地の木の収縮によりひび割れが発生することがある(狭い範囲であればひび割れを起こしにくいが、広範囲に施工するとひび割れが発生しやすくなる)
- 施工中にはシンナーよりも強いといわれるほどの独特の臭いが発生する
- 防火地域等のベランダや屋根に使用する場合には防水材にも防火性能が要求されるので、大臣認定を取得したものを使用することが求められる
FRP防水の費用相場
FRP防水の費用相場は、1平米あたり5,000円から8,000円程度です。ベランダの床面積が10平米だとすると、50,000円から80,000円程度の費用がかかります。ただし、これはあくまで目安であり、施工業者や仕様によって異なります。また、下地処理や部分補修などの工事内容によっても費用は変わります。
シート防水
シート防水とは、合成ゴムや塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを床面に貼り付ける方法です。シートはロール状になっており、床面に合わせて切って貼ります。シート同士は溶接や接着剤で接合します。シート防水はFRP防水よりも伸縮性が高く、下地の動きにも追従しやすいため、ひび割れを起こしにくいという特徴があります。
シート防水には主に以下の2種類があります。
- 塩化ビニールシート
- ゴムシート
塩化ビニールシートのメリット・デメリット
塩化ビニールシートは塩化ビニール樹脂で作られた防水シートで、耐久性や耐候性に優れています。また、色や柄も豊富でデザイン性が高いというメリットがあります。
塩化ビニールシートのメリット
- 耐久性や耐候性が高い
- 色や柄が豊富でデザイン性が高い
- 施工が容易で工期が短い
- 防火性能が高い
塩化ビニールシートのデメリット
- 紫外線に弱く、劣化して色あせやひび割れを起こすことがある
- 耐摩耗性や耐荷重性が低い
- 軽量ではなく、建物の構造躯体への負担が大きい
- 施工中に有害物質を発生させることがある
ゴムシートのメリット・デメリット
ゴムシートは合成ゴムで作られた防水シートで、伸縮性や耐摩耗性に優れています。また、紫外線や酸素などに対しても強く、劣化しにくいという特徴があります。
ゴムシートのメリット
- 伸縮性や耐摩耗性が高い
- 紫外線や酸素などに強い
-
ゴムシートのデメリット
- 色や柄が少なく、デザイン性が低い
- 施工が難しく、工期が長い
- 防火性能が低い
シート防水の費用相場
シート防水の費用相場は、1平米あたり3,000円から5,000円程度です。ベランダの床面積が10平米だとすると、30,000円から50,000円程度の費用がかかります。ただし、これはあくまで目安であり、施工業者や仕様によって異なります。また、下地処理や部分補修などの工事内容によっても費用は変わります。
ウレタン防水
ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を床面に塗布する方法です。ウレタン樹脂は2液式であり、A液とB液を混ぜると化学反応によって硬化します。ウレタン樹脂は塗布するときには液体ですが、硬化するとゴム状になります。そのため、ウレタン防水はFRP防水やシート防水と比べて伸縮性が高く、下地の動きにも追従しやすいという特徴があります。
ウレタン防水には主に以下の2種類があります。
- 1液型ウレタン
- 2液型ウレタン
1液型ウレタンのメリット・デメリット
1液型ウレタンとは、A液とB液を混ぜる必要がなく、そのまま塗布できるウレタン樹脂です。1液型ウレタンは空気中の水分と反応して硬化します。そのため、施工が容易で時間もかからないというメリットがあります。
1液型ウレタンのメリット
- 施工が容易で時間もかからない
- 伸縮性や耐候性が高い
- 色や柄が豊富でデザイン性が高い
- 防火性能が高い
1液型ウレタンのデメリット
- 硬化速度が早すぎると塗膜にムラや気泡が発生することがある
- 硬化速度が遅すぎると塗膜にホコリや虫などが付着することがある
- 硬化速度は気温や湿度に影響されるため、施工時期や条件に注意する必要がある
- 耐摩耗性や耐荷重性が低い
2液型ウレタンのメリット・デメリット
2液型ウレタンとは、A液とB液を混ぜて塗布するウレタン樹脂です。2液型ウレタンはA液とB液の割合や混合時間を正確に調整しなければならないため、施工には技術や経験が必要です。しかし、2液型ウレタンは1液型ウレタンよりも硬化速度を調整しやすく、塗膜の品質も高いという特徴があります。
2液型ウレタンのメリット
- 硬化速度を調整しやすい
- 塗膜の品質が高い
- 伸縮性や耐候性が高い
- 耐摩耗性や耐荷重性が高い
2液型ウレタンのデメリット
- 施工に技術や経験が必要
- 施工時間が長い
- 色や柄が少なく、デザイン性が低い
- 防火性能が低い
ウレタン防水の費用相場
ウレタン防水の費用相場は、1平米あたり4,000円から6,000円程度です。ベランダの床面積が10平米だとすると、40,000円から60,000円程度の費用がかかります。ただし、これはあくまで目安であり、施工業者や仕様によって異なります。また、下地処理や部分補修などの工事内容によっても費用は変わります。
トップコート塗り替え
トップコート塗り替えとは、既存の防水層の上に新たな防水層を塗布する方法です。トップコートとは、防水層の最上層にある塗膜のことで、紫外線や摩耗などによる劣化を防ぐ役割を果たしています。トップコート塗り替えは既存の防水層を剥がさずに済むため、費用や工期を抑えることができます。しかし、トップコート塗り替えは既存の防水層の状態によっては適用できない場合もあります。例えば、既存の防水層がひび割れや浮きなどで大きく損傷している場合や、既存の防水層と相性の悪い素材を使用する場合などです。
トップコート塗り替えには主に以下の2種類があります。
- ウレタントップコート
- アクリルトップコート
ウレタントップコートのメリット・デメリット
ウレタントップコートとは、ウレタン樹脂を使用したトップコートです。ウレタントップコートはウレタン防水と同様に伸縮性や耐候性に優れています。また、色や柄も豊富でデザイン性が高いというメリットがあります。
ウレタントップコートのメリット
- 伸縮性や耐候性が高い
- 色や柄が豊富でデザイン性が高い
- 防火性能が高い
ウレタントップコートのデメリット
- 硬化速度は気温や湿度に影響されるため、施工時期や条件に注意する必要がある
- 耐摩耗性や耐荷重性が低い
- 施工中に有害物質を発生させることがある
アクリルトップコートのメリット・デメリット
アクリルトップコートとは、アクリル樹脂を使用したトップコートです。アクリルトップコートは空気中の水分と反応して硬化します。そのため、施工が容易で時間もかからないというメリット
-
アクリルトップコートのメリット
- 施工が容易で時間もかからない
- 色や柄が豊富でデザイン性が高い
- 耐久性や耐候性が高い
- 防火性能が高い
アクリルトップコートのデメリット
- 伸縮性や耐摩耗性が低い
- 硬化速度が早すぎると塗膜にムラや気泡が発生することがある
- 硬化速度が遅すぎると塗膜にホコリや虫などが付着することがある
トップコート塗り替えの費用相場
トップコート塗り替えの費用相場は、1平米あたり2,000円から3,000円程度です。ベランダの床面積が10平米だとすると、20,000円から30,000円程度の費用がかかります。ただし、これはあくまで目安であり、施工業者や仕様によって異なります。また、下地処理や部分補修などの工事内容によっても費用は変わります。
ベランダ防水の改修工事の時期
ベランダ防水の改修工事の時期は、一般的には以下のような目安があります。
- FRP防水:10年から15年
- シート防水:15年から20年
- ウレタン防水:10年から15年
- トップコート塗り替え:5年から10年
しかし、これらはあくまで平均的な耐用年数であり、実際にはベランダの使用状況や環境条件によって大きく異なります。そのため、定期的にベランダの防水層の状態をチェックすることが重要です。特に以下のような症状が見られたら、早急に改修工事を検討する必要があります。
- 防水層にひび割れや浮きなどの損傷が見られる
- 防水層の色あせや劣化が目立つ
- 防水層から水滴や水染みが発生する
- 防水層から異臭やカビが発生する
- 防水層に凹凸や段差が発生する
また、改修工事を行う際には、以下のような点に注意する必要があります。
- 改修工事は気温や湿度などの気象条件に左右されるため、晴れた日や乾燥した季節を選ぶことが望ましい
- 改修工事は施工業者によって技術や品質に差があるため、信頼できる業者を選ぶことが重要である
- 改修工事は施工後も定期的なメンテナンスや点検を行うことで長持ちさせることができる
以上、ベランダ防水の種類と改修工事の時期・相場について説明しました。ベランダ防水は家の快適さや安全性を保つために重要な工事です。自分のベランダに合った防水方法を選び、適切なタイミングで改修工事を行うことで、ベランダを長く使えるようにしましょう。