
編集者プロフィール

はじめまして!
このブログの編集者、岩藤正宏です。私は株式会社イワショウの代表を務め、創業50年の歴史を持つ当社で長年外壁塗装・屋根塗装の業務に携わってきました。建築業界での経験は30年以上、2級建築士、1級建築塗装技能士、外壁診断士、雨漏り診断士など、15の資格を活かして日々の仕事に取り組んでいます。
ブログでは、編集者として、外壁塗装や屋根塗装に関する専門知識を分かりやすく整理し、読者の皆さまに役立つ情報をお届けしています。特に、見積もりのポイントや塗装業界の最新トレンド、住まいを長持ちさせるメンテナンス方法について深掘りした記事を配信しています。
私たちイワショウは、「納得のお値打ち価格」「確かな技術」「丁寧な仕事」をモットーにしています。このブログが、塗装を検討されている方々にとって役立つ情報源となれば幸いです。どうぞよろしくお願いします!
外壁塗装を計画中の方であれば、一度は「工事が原因で近所ともめたらどうしよう……」という不安を抱えたことがあるのではないでしょうか?実は、外壁塗装の工事には騒音や塗料の臭い、足場の設置場所など、近隣への影響を避けられない要素が多く存在します。ちょっとした行き違いや説明不足が、大きなトラブルに発展する可能性があるのです。近年はSNSの普及で、ちょっとした不満が口コミやネット上で共有され、いっそう不安が拡大しやすい時代。こうしたトラブルを事前に防ぎ、円満に工事を進められるかどうかは、実は“最初の準備”でほぼ決まるといっても過言ではありません。
外壁塗装という言葉から、多くの方は「家をきれいにするためのリフォーム」だと想像します。しかし、家は単体で存在するものではなく、街並みや近隣との関係性の中にあります。だからこそ、外壁塗装工事の騒音や臭い、足場の出入りは、周辺住民にとっては“自分に関係のない迷惑ごと”に感じられる可能性が高いのです。特に日本の住宅事情は隣家との距離が近く、車や人の往来も頻繁。そのため、ほんの少しの配慮不足が大きな火種になりかねません。
「工事後にご近所付き合いが悪化して、日々の生活が居心地悪くなったらどうしよう……」「塗装自体は成功しても、隣人からクレームが来たら意味がないよね……」。そんな心配は、誰しもが抱く現実的な悩みです。実際に、外壁塗装を依頼したお客様から「工事自体は満足だけど、隣の家に塗料が飛んでしまって後処理に時間がかかった」「足場の音に耐えられなかったと怒鳴られて、毎日ひやひやした」という声を聞く機会は珍しくありません。こうした不安を抱えるのは決してあなただけではないのです。
とはいえ、「近隣からのクレームをゼロにするなんて無理なんじゃ……」と思う方もいるかもしれません。確かに、完全にトラブルを防ぐのは難しいかもしれませんが、“ある準備”をしておくかどうかでトラブルのリスクを大幅に下げることができるのは確かです。
本記事では「ご近所トラブルを防ぐ 外壁塗装 前にやるべき5つのこと」というテーマを軸に、具体的な準備や配慮の方法を解説していきます。例えば、挨拶回りをどの範囲まですればいいのか、どんなタイミングがベストなのか、車の通行や駐車スペースの使い方をどう配慮すればいいのか、そして洗濯物や塗料の臭い対策など、多くの方が気になるポイントを網羅的にカバーします。さらに、“事前に知っておくべき近隣対応のコツ”や“信頼できる業者の見極め方”など、いざという時に役立つ実践的なヒントも盛りだくさん。これを読めば、工事前の心配や不安はかなり解消されるはずです。
本記事を執筆しているイワショウは、地域密着で50年以上の実績を持つ外壁塗装のプロフェッショナル。岡山県を中心に、数多くの塗装現場を経験し、「塗装工事そのものの品質」だけでなく、「工事中・工事後の近隣トラブルをいかに防ぐか」を重要視してきました。実際に、「イワショウさんに頼んでから近隣の苦情がまったく出なかった」という嬉しい声や、「挨拶回りから細やかに手伝ってくれたおかげで、終わった後もご近所さんから感謝されました」といった感想をいただいています。こうしたノウハウの蓄積があるからこそ、今回の記事では単に理論的な話ではなく、現場に即したリアルな対策をお伝えできます。
家がきれいになるのはとても嬉しいことです。しかし、その裏側で隣人と険悪なムードになり、気まずい関係が生まれてしまったら、家に帰るたびにストレスを感じることにもなりかねません。塗装後の美しい外観と、近隣との良好な関係――これらは決して相反するものではなく、きちんと準備さえすれば両立可能です。「せっかく大金をかけてリフォームしたのに、ご近所と気まずくなるなんて嫌だ……」「最高の仕上がりを、周囲の人にも喜んでもらいたい!」そう願う方こそ、ぜひこのまま読み進めてみてください。
それでは早速、外壁塗装前にやるべき5つのポイントを詳しく見ていきましょう。これらをしっかり実践すれば、「あの家、すごく配慮が行き届いていたわね」と感謝される可能性も高まります。ご近所トラブルゼロを実現し、笑顔で塗装完了の日を迎えるために――さあ、一緒に始めましょう!
なぜ外壁塗装でご近所トラブルが起こるのか?
騒音・臭い・足場…見えないストレスが原因に
外壁塗装がご近所トラブルの原因になる最大の理由は、近隣住民にとっては“自分に無関係な作業”である一方で、騒音や臭い、視界の遮りなど実害を被る可能性があるからです。
外壁塗装という作業は、家の外観をきれいにするためのもの。それ自体は施主にとって大きなメリットをもたらす工事ですが、隣家から見れば「知らない業者が出入りする」「音や臭いが発生する」などのリスク要素が一気に増えるイベントです。特に足場の設置は大きな金属音を伴い、高圧洗浄では水の飛散やモーター音が響きます。また、塗料の種類によってはシンナー系の強い臭気を放ち、それが隣家の洗濯物や家の中にまで入り込むケースも報告されています。こうしたトラブルが、当事者同士のコミュニケーション不足や説明不足で増幅されてしまうのです。
さらに、多くの方が気にされるのが“プライバシーの問題”です。足場を組むと職人が高所で作業することになるため、隣家の2階窓やベランダが視界に入りやすくなります。それを苦痛に感じる人も少なくありません。日本の住宅事情では、家と家の距離が非常に近いケースが多いので、ちょっとした“よそ見”でもトラブルに発展しがちです。「隣の職人さんがうちを覗いているみたいで不安だ」という声は意外と多いのです。
ある現場で、足場の金属音が早朝から響き続けたことで、夜勤明けの隣人が寝不足になり、激怒して苦情を言ってきた。施主もまったく気づかず、後から「こんなに迷惑をかけていたのか」と驚いたという。 ・油性塗料の独特な臭いが洗濯物につき、「あの家の工事で私たちが被害を受けた」とクレームが入った。最終的にはクリーニング代の一部を施主が負担することになった。 ・足場を組む際、隣家との境界ギリギリに支柱を立ててしまい、「勝手にうちの敷地を使わないでくれ!」と怒鳴られたケース。測量の結果ギリギリ敷地内に収まっていたが、事前の挨拶をしなかったことが問題を大きくした。
外壁塗装が原因のトラブルは決して珍しくありません。その背景には「施主と近隣住民との温度差」が大きく関わっています。施主にとっては待ち望んだ塗装工事でも、隣人にとっては“知らないうちに騒がしくなる”迷惑イベントに映りがちです。だからこそ、事前の説明や配慮が重要になってくるのです。
外壁塗装前にやるべき5つのこと【完全ガイド】
ここでは、近隣トラブルを防ぐための具体的な5つの行動を紹介します。それぞれが非常に重要で、どれかひとつ欠けるだけでも大きなクレームを招くリスクがあるため、必ず最後までチェックしてください。
① ご近所への丁寧な挨拶・お知らせ
外壁塗装工事をスムーズに進めるには、工事開始の数日前にご近所へ丁寧な挨拶回りを行い、工事概要を伝えることが必須。どれほど立派な工事をするつもりでも、まずは“やる前の一言”がトラブル回避の9割を占めるといっても過言ではありません。
理由は単純明快で、人は「知らないこと」「突然の変化」に強い警戒心を抱くからです。朝起きたら突然足場が組まれていて、金属音がガンガン響いていたら、誰でも驚きと不快感を覚えます。さらに、自分にはまったくメリットのない工事であるのに、生活音や臭いなどの実害を被る可能性があるわけですから、事前の説明がなければ「勝手に始めやがって」という感情が生まれても仕方ありません。
実際の挨拶回りでは、下記のポイントを押さえると効果的です。
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工事日程と時間帯:何月何日から何月何日まで、何時から何時頃まで工事をするのか。
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工事内容の概要:高圧洗浄や塗装、足場解体など、どんな作業を行うのか。
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騒音・臭いのタイミング:音が出る日や、臭いが強くなる可能性のある日を伝える。
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養生や車両搬入の有無:どのあたりに車を停めるのか、道路使用許可は取っているのか。
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連絡先:施主や業者の担当者、工事責任者など、連絡を取りたい時の窓口を明確化。
特に「連絡先」の提示は、クレームが発生しそうになったときに効果を発揮します。人は直接文句を言いに行くより、電話で済ませられるならそうしたいと思うもの。窓口が明確ならば、不満がこじれにくいのです。さらに、挨拶時にちょっとした粗品(タオルや洗剤など)を渡すと好印象を持ってもらえる場合が多いです。「お気持ち程度ですが、よろしくお願いします」という一言があるかないかで、人間関係は大きく変わります。
・Aさん宅では、工事の1週間前に近隣10軒ほどに“お知らせチラシ”を投函し、週末に顔を合わせて挨拶も行いました。その結果、高圧洗浄の日に「今日は音が出ますよね、頑張ってください」と逆に声をかけられるほど好意的に受け入れられたそうです。 ・Bさんは仕事が忙しく、挨拶回りを省略してしまったところ、初日に近所から「いきなりうるさいんだけど」と苦情が殺到。仕事から帰ってきてから対応するはめになり、大変な思いをしました。「最初にやるべきだった……」と深く後悔したそうです。
外壁塗装のような“ご近所に負担をかける可能性がある工事”では、丁寧な挨拶が最大の防御策となります。特に、高齢者の多い地域や、子育て世帯が多いエリアでは、ほんの少しの気遣いが大きな安心感につながるもの。忙しくてもこの工程を絶対に省かないようにしましょう。
② 工事スケジュールと内容を共有する
事前にスケジュールをしっかり周知しておけば、近隣住民も心の準備ができ、不安や不満を抑えられます。対して、いつ作業が始まり、いつ終わるのか曖昧な状態だと、ほんの少しの騒音でもクレームにつながるリスクが高まります。
人は先が見えない不安に耐えられません。「あと1日で終わる」とわかっていれば騒音に我慢しやすいですが、「いつまで続くのかわからない騒音」は精神的負荷が何倍も高くなります。また、洗濯物を干すタイミングや、外出の予定を立てたいというニーズもあるでしょう。そこで施工期間や工程の目安、騒音や臭いが特にひどくなる日などを、あらかじめ紙面や口頭で共有するのが有効です。
多くの業者では、施工工程表を作成して施主に渡しますが、それを近隣住民にも簡易版で配布するケースが増えています。例えば「○月○日は高圧洗浄のため音が出ます」「○月○日は塗装を行うので、臭いにご注意ください」といったアナウンスを記載し、連絡先を明記しておくだけでも、トラブルは格段に減ります。
・Cさんは地域の町内会の回覧板を活用し、工事のスケジュールを一緒に回覧してもらいました。「工事の詳細まで書いてくれてありがとう、把握できると安心だね」と好評だったそうです。 ・Dさんは、業者からもらった“工程表”を近所に配ったものの、専門用語が多くて近所の人にはよくわからない内容でした。その結果、「あの日は騒音がするって書いてあったけど何のこと?」と混乱を招いてしまいました。やはり専門用語を避け、わかりやすい言葉でまとめる工夫が必要とわかりました。
「あとどれくらいで終わるのか」「一番うるさい日はいつか」「どんな塗料を使うのか」などを、相手目線で丁寧に説明しておくことが肝心です。もしスケジュールが変更になった場合は、面倒でも再度お知らせするほうが賢明。近隣の理解と協力を得ることで、ストレスの少ない工事を実現できます。
③ 駐車場・道路の使用に注意する
足場の設置や資材搬入車両が、近隣の車庫前や道路を塞いでしまうと、一瞬でトラブルが勃発します。特に道路が狭い住宅街では注意が必要です。
工事車両や職人の作業車はどうしてもスペースを取ります。さらに足場の設置箇所によっては道路にはみ出したり、共有スペースに資材を置かざるを得ないケースもあります。ここで「ちょっとだけだから大丈夫」と考えてしまうと、近隣の出入りを妨害し、クレームが発生する原因になります。通勤・通学の時間帯に車が出せないとか、そもそも道が通れないという状況は、住民にとって大変ストレスフルなもの。「私道だけどみんなが使う道」「一方通行で避けようがない」など、地域の事情を考慮した配置が必要不可欠です。
特に注意したいのが「無断で敷地に足を踏み入れる」ケース。足場を組む際、隣家の塀際ギリギリまで組まないといけない場合もありますが、境界の認識が曖昧だと「勝手にうちの敷地を侵害している」と大問題に発展します。事前に「ここまで使わせていただけますか?」と確認するだけで済む話でも、それをしないと相手のプライドを傷つけ、険悪なムードを生むことがあります。
・Eさんは街の中心部に住んでおり、道幅が非常に狭い。足場の資材を運び込むトラックが少しの間路上駐車しただけで近隣の車が通れなくなり、大激怒されてしまった。結果的に「もうあんなところに頼むな!」と町内会で問題視され、施工後もしばらく気まずい関係が続いたという。 ・Fさんは事前に業者と「どこに車を停めるか」「何時に資材が入るか」を綿密に打ち合わせし、近所にもその時間帯はご迷惑をかける旨を挨拶回りで伝えた。すると「○時から○時まではうちの駐車スペース空いてるから使っていいよ」と協力してくれる人まで現れ、スムーズに工事を終えることができた。
駐車場や道路使用に関しては「どうすれば近隣に迷惑をかけないか」を最優先に考える必要があります。自治体によっては道路使用許可の申請が必要な場合もあるので、業者と連携して正しく手続きを取りましょう。少し面倒に感じるかもしれませんが、ここをおろそかにすると「工事全体の印象が最悪になる」というリスクが高いので要注意です。
④ 洗濯物や窓の影響を伝えておく
塗料が飛散する、高圧洗浄の水しぶきがかかる、塗料の臭いが洗濯物に付着するなど、生活への直接的な影響は事前にしっかり伝えるべき。これを怠ると「うちの洗濯物が台無しになった」とクレームになりやすいです。
日常生活の中で、洗濯物は毎日のように干されるものです。そこに塗料の臭いがついたり、万が一塗料が付着してシミになったりしたら、被害者側のショックは計り知れません。特に赤ちゃんや幼児のいる家庭、アレルギー体質の方がいる家庭などでは、臭いだけでも深刻な問題になります。また、養生シートで窓を塞ぐ関係で、一定期間窓が開けられない状態になることも。風通しや採光に影響が出れば、住民はストレスを感じやすいでしょう。
事前に「いつからいつまで洗濯物を部屋干しにしてほしいか」「窓を開けられない期間がどのくらいあるか」を伝えておくことが大切です。具体的な工事スケジュールと合わせて、「○月○日は特に臭いが強いかもしれません」「○日から○日は養生のため窓が開けられません」といった情報を提供すると、住民は計画的に対応できます。何も言わずに工事を始めて、後から「知らなかった」「こんなに臭いがするなんて思わなかった」とクレームを受けるパターンが最悪のケースです。
・Gさん宅では、工事担当者が近隣の主婦層に配慮して「この日は溶剤系塗料を使うので、洗濯物は部屋干し推奨です」と具体的に伝えたところ、逆に「ちゃんと気を遣ってくれてありがたい」と感謝された。 ・Hさんは何も知らされずに布団を干していたところ、臭いとわずかな塗料の飛散が布団に付着。クリーニング代を請求されたうえに、感情的に怒られてしまい気まずい思いをした。
洗濯物や窓の開閉など、生活に直結する項目への配慮は、近所との関係を決定づける大きなポイントです。塗装会社が事前に周知してくれる場合も多いですが、施主自身が近隣へ説明して回るとさらに安心感が生まれます。
⑤ ご近所トラブルに強い業者を選ぶ
いくら施主側が気をつけても、実際に工事を行うのは業者です。トラブル時の初動対応や近隣への気遣いは“業者の質”に大きく左右されます。
仮に、挨拶回りや工程表などを完璧に用意していても、現場の職人さんが雑な言葉遣いや強引な作業態度で近隣からクレームを受ければ、最終的には施主に責任が及ぶことになります。トラブル対応に慣れておらず、どう対応していいか分からない業者だと、火に油を注ぐ結果になるかもしれません。だからこそ、業者選びの段階で「近隣配慮にどれほど力を入れているか」を確認することが肝要です。
具体的には、以下のようなポイントをチェックするといいでしょう。
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挨拶回りを一緒にやってくれるか:業者によっては「施主さんがやってください」と丸投げするところもあれば、担当者が同行して挨拶してくれるところも。
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クレームがあった場合の対応マニュアル:過去にどんなクレームがあり、どう対応したのか聞いてみる。
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近隣への配布物の用意:工程表やお知らせなど、わかりやすくまとめた資料を作成しているか。
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職人のマナー教育:挨拶や言葉遣い、清掃・片付けの徹底度合い。
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電話対応の迅速さ:近隣からの連絡やクレームに即時対応してくれるか。
・Iさんは見積もりの際に「近隣への配慮はどうなってますか?」と質問したところ、「そこまではやらないですね」という業者と出会って不安を感じたため、別の業者に依頼した。結果、大正解だったと後日談がありました。 ・Jさんは「前にクレームがあった時、どんな対応をしたんですか?」と踏み込んだ質問をしたところ、具体的な事例を交えて説明してくれた業者に信頼を抱き、契約を決めた。その後、実際の工事でも万一のトラブルに迅速なフォローをしてくれたそうです。
「工事費用の安さ」や「塗料の種類」だけで業者を決めるのはリスキーです。長く住む家の環境とコミュニティを守るためにも、“近隣配慮のレベルが高い”業者を選ぶことを最優先に考えましょう。きちんと質問をすれば、業者の本質は見えてきます。
よくあるご近所クレームQ&A
外壁塗装にまつわる近隣トラブルでは、実際にどんなクレームが多いのか、そしてどう対処すればいいのかを具体的に見ていきましょう。
「においがキツくて気分が悪いと言われた」
塗料の臭いトラブルは、塗料選びと作業時間帯の工夫でかなり軽減できます。水性塗料を採用したり、風向きを考えた上で短時間での施工を心がけるなど、業者と連携して対処しましょう。
臭いに敏感な方や持病をお持ちの方には、わずかなシンナー臭でも頭痛や吐き気を引き起こすことがあります。特に夏場は窓を閉め切るのが難しく、臭いが家中に充満してしまう可能性も。事前に「どんな塗料を使うのか」「どのくらい臭いがするのか」を近隣に説明し、対策を講じる必要があります。
・Kさんは隣に赤ちゃんがいる家庭があると知り、あえて水性塗料を選択。工事期間も昼間の短時間作業に絞って進めた結果、クレームは一切なくスムーズに完了した。 ・Lさんは業者と打ち合わせをせず、油性塗料で作業したところ、近隣から「頭が痛くなるほど臭う」と強く抗議され、施工時間を変更する羽目に。二度手間になってしまった。
臭い対策は「塗料の種類」「作業時間」「換気の徹底」がカギ。特にデリケートな住民が近隣にいる場合は、徹底的に配慮することでクレームを防げます。
「車に塗料が飛んでいたと苦情がきた」
塗料の飛散による車両被害は、養生の徹底と天候条件の把握が不可欠。風の強い日は無理せず作業を中断する判断力も求められます。
塗装作業中の飛散は、風や噴霧器の使い方によって発生しがちです。車に飛散すると洗車だけでは落ちない場合もあり、クリーニング費用や弁償問題に発展します。特に黒いボディや高級車の場合は、微細な塗料の点々でも大問題に発展する可能性が高いです。
・Mさんは事前に近隣住民に呼びかけ「車をカバーしておくか、敷地内に停めるなどご協力をお願いします」と声をかけていたため、万一の飛散リスクを最小限にできた。 ・Nさんの現場では、台風のように風が強い日に無理やり塗装を続行し、結果として隣家の車に細かな塗料が付着。大きなクレームに発展し、追加費用もかかった。
飛散防止ネットやカバーの徹底、風の強い日の作業中止など、基本的な対策をとるだけでもリスクは激減します。業者が「このぐらいなら大丈夫ですよ」と言っても、自分の責任にもなるため、慎重に判断してください。
「洗濯物が干せないと怒られた」
洗濯物の問題は小さなようで、実際は“毎日の生活”に直結するためトラブル化しやすい要素。事前に部屋干しやコインランドリー利用の可能性を示唆し、必要に応じて費用補助を考える場合もあります。
塗料の臭いが衣類に移ってしまうと、洗い直しだけでは取れないことも。花粉症の時期や梅雨時など、ただでさえ部屋干しが続くとストレスを感じる人も多いでしょう。そこに塗装工事が重なると「いい加減にしてほしい!」という怒りの声があがりやすくなります。
・Oさんは高圧洗浄と塗料の臭いが強い日をカレンダーで周知し、「この日は洗濯物を部屋干しでお願いします」とチラシを配った。すると苦情は一切なく、「そこまで気を使ってくれて助かった」という声をもらえた。 ・Pさんは説明不足で、近隣が普段通り外干しをしてしまい、衣類やタオルに塗料が付着。弁償対応に追われてしまっただけでなく、謝罪に行くのも心的負担が大きかったという。
言いにくいことではありますが、「この日は外に干すと危ないですよ」とはっきり伝えることが誠実な対応です。曖昧にしてしまうほどクレームが出やすいので、注意喚起はしっかり行いましょう。
塗装業者と一緒にできる“ご近所配慮チェックリスト”
事前確認するべき6つのポイント
施主と業者が連携して“ご近所配慮チェックリスト”を作成し、ひとつひとつ確認していけば、トラブルの多くは未然に防げます。
いくら施主が丁寧に挨拶回りをしても、現場で作業をするのは業者です。業者との連携が取れていないと、「聞いていた話と違う」という誤解が近隣とのトラブルを引き起こします。そこで施主と業者の間で以下の6項目をしっかり共有しましょう。
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あいさつ回りの範囲と方法:どの家まで、どのタイミングで挨拶するのか。粗品は用意するのか。
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工事スケジュールの共有:工程表や日程をどこまで近隣に配布するか。変更時の再告知方法は?
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騒音・臭い対策:どの時間帯に騒音・臭いが強くなるか。その間に隣家にできる配慮は?
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車両・足場配置:どこに車を停めるか、道路許可は取るのか。足場は隣家境界から何センチ以内に抑えられるか。
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洗濯物対策:特に塗料飛散のリスクがある日はどれか。部屋干しをお願いする必要があるか。
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クレーム対応窓口:万が一クレームが入った場合、誰が最初に対応するか。施主か、業者か、それとも両者で対応するのか。
・Qさんは上記6項目をまとめたチェックリストを作り、業者の担当者と事前に30分の打ち合わせを実施。さらに近隣に配布する挨拶チラシにも“万が一何かありましたらこちらへ連絡を”と担当者名を明記しておいたため、工事期間中はトラブルが皆無だった。 ・Rさんはチェックリストを作らず、なんとなく「業者がうまくやってくれるだろう」と思っていた。結果、足場が隣家の車庫前にかかり、その事実に気づかないまま工事を続行。後日、隣人から激しく抗議され、関係修復に苦労した。
“ご近所配慮チェックリスト”は、面倒なようでいて実は一番の時短策です。後からトラブル処理に追われるより、先に確認を徹底するほうが精神的にも経済的にも楽なのです。
“任せて安心”な業者を選ぶための質問例
口約束だけでなく、実際に“過去にどんなトラブルがあってどう対応したか”を聞くことで、その業者の本質がわかります。
業者によっては、「うちはトラブルなんて一度もありませんよ」と言い切る場合もあります。しかし、実際に現場で起きるトラブルは大小さまざま。まったくないというのは不自然です。むしろ「過去にはこんなトラブルがあって、こう対処しました」という具体的な経験談があるほうが信用に値します。さらに、担当者が具体的に話せるかどうかで“現場力”が測れるでしょう。
(質問例):
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近隣へのあいさつ回りは一緒に行ってもらえますか?
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騒音や臭いに対して、どんな配慮をしていますか?
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過去にクレームやトラブルはありましたか? それはどんなもので、どう対処しましたか?
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工事スケジュールが延びそうなとき、近隣にはどんなフォローをしますか?
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職人さんへの教育はどのように行っていますか?
: “安いからここにしよう”ではなく、トラブル時にどう動いてくれるかが鍵です。質問への回答に具体性がある、誠実さを感じる――そういった業者は信頼できます。
まとめ:塗装より大事なのは「近所との信頼関係」
家をきれいにする前に、人間関係をきれいに保つ努力を
外壁塗装の成功は、決して外観の美しさだけでは測れません。近隣から「騒音がひどかった」「洗濯物を台無しにされた」などの苦情が殺到し、地域での評判を下げてしまえば、家への愛着や満足感にも影響します。つまり、本当の成功は“周囲との良好な関係”を保ちながら工事を完了することです。
人が暮らす地域社会は互いに支え合う共同体のようなもの。外壁塗装はあくまで自分の家を良くするための行為ですが、その結果、周りに迷惑をかけるようでは本末転倒。ましてや一度こじれた人間関係を修復するのは想像以上に大変です。
工事期間中だけ耐えてもらえればいい、という考えではなく、「工事後も挨拶できる関係でいたい」「むしろ工事を機に、もっと近隣とのコミュニケーションを深めたい」という前向きな気持ちで取り組むと、大抵のトラブルは予防できます。そして、丁寧な対応は必ず何らかの形で返ってくるものです。
イワショウでは、すべての現場で「ご近所との関係も含めて美しく」という理念を掲げています。実際、「イワショウさんの職人さん、毎日きちんと挨拶してくれて気持ち良かった」「ご近所さんへの対応も一緒にやってくれたから助かった」など、施工後に感謝の言葉をいただくことが多いです。そうした好意の言葉は、施主さんにも伝わり、結果的に「ああ、この会社に頼んで良かった」と双方にとってプラスの結果をもたらします。
外壁塗装はあくまで“家を長持ちさせ、美観を保つ手段”ですが、同時に“地域コミュニケーションを見直す機会”でもあります。ご近所に「ちょっとした負担」をお願いする立場であることを忘れず、感謝と配慮の気持ちを行動に移すのが肝心。すべてが終わったときに、「やってよかった」と心から思えるように、トラブル予防の準備をしっかり行いましょう。
株式会社イワショウは岡山市北区、南区、中区、東区、赤磐市、瀬戸内市、備前市などを中心に